Blog「星の光」

(2024年12月21日)

No.16 古代文字「力」とボクシングの歌 短歌(7)

「ボディ、フック、ジャブ、ストレート 人生を連打、運命 アッパー」(Hoshi no Hikari)

毎週月曜の夜、ボクシングに通っています。
フィットネスジムで開催しているエクササイズの一つなので、ボクシングジムでのトレーニングのような本格的なものではないのでしょう。
それでも、グローブをつけてミット打ちするのはすこぶる爽快。
1日の仕事疲れやモヤモヤを一瞬にしてノックアウトできます。

ボクシングをやりながら、最近よく心に浮かぶのが「力」という文字です。

日常生活の中で「力仕事」や肉体的な「力」を発揮する機会が非常に少なくなっているせいか、パンチのように肉体的に「力」を込める動作や、瞬発力を発揮するのはとても新鮮に感じられます。

子供の頃、衣食住全般、丁寧な生活を送るのは大変なことで、家事も力仕事が多かったと思います。
今の生活空間には便利なものがいっぱい。しかも、そこそこのものなら安価に手に入れられるようになりました。
その代わりに、忍耐力がなくなってはきましたが、昔に比べたら魔法のように快適な生活です。

そもそも「力」って、何でしょう???

一般的に、物体の状態を変化させる作用を「力」といいますが、「力」の字源からは、古代の人々にとっての「力」が何であったかがよくわかります。

甲骨文字「力」

甲骨文字の「力」は、農具のスキの象形文字です。
古代、農耕は最も力を必要とすることであり、スキなど農具を清める儀礼もあったようです。
後漢代に許慎という人によって編纂された最古の字書『説文解字』によると、「力」という文字は、「筋の形に象る」「肉の力なり」とあって、力を筋肉の力と理解していたことが示されるのだとか。

「加」「嘉」の文字には「力」が含まれています。「力」の部分は同様のスキの象形で、これらはスキを清める農耕儀礼を示す文字です。
「勉」「努」の「力」も農耕の祭儀で用いられる農具のスキの象形ですが、上の「力」のスキとは異なる形が用いられています。
いずれまた、これらの文字もBlogで紹介できればと思います。

ここで趣を変えて、英単語。
「Power・パワー」も「Energy・エネルギー」も日本語で「力」と訳しても間違いにはなりませんが、日本語で「力」を英訳するときは、「Power」 か「Energy」かの配慮が必要です。「Power」は先ほども書いたように、物を動かすとか「物体の状態を変化させる作用」。
一方、「Energy」は「Power」のポテンシャルのようなものを指しています。

古代文字の世界の人々が、目に見えないエネルギーをさまざまな儀礼で、生きるパワーに変えようとしていたことは字源からわかります。
人類は、物質文明を築き上げるプロセスで、扱うエネルギーを増やし、扱い方を進歩させてきました。
私たちの内外の、物質次元のエネルギーも非物資次元のエネルギーも、より良く生かして、大きな力、思い通りの人生を選ぶパワーに変えていきたいものです。

まずは、パンチ力のもと筋肉を鍛えて、ネガティブなものをノックアウト!
思い通りにならない運命なんてサッサとアッパー!
物質次元も非物資次元もつながっていますから👏👏👏