Blog「星の光」

(2025年6月19日)

No.161 古代文字「滴」雨の滴、ガラスの水滴

古代文字「滴」

『字統』には、「啇」(てき)を声符とする形声字で、最古の字書、後漢代の『説文解字』には「水の注(しずく)なり」とあって、水滴をいうとのこと。さらに白川先生の解説では、六朝期に血をもって血縁を識別する方法があり、両者の血を水に滴らしてその分合を検した、とあります。
ちょっとコワイですが、実際のところ、古代って、こういう世界だったのだと思います。

ネット(「漢字/漢和/語源辞典」https://okjiten.jp/kanji1215.html#google_vignette)で調べると、サンズイは流れる水の象形、「啇」は木をくんで締めた形の神を祭る台の象形と口の象形」と説明が掲載されていました。一方、白川先生の『字統』には、「啇」という文字の項目はありません。史料がないからだと思います。
ネットの字書は、「こんなふうに解釈したい」と言う主観的な思いが上乗せされて説明されているケースが多いと感じます。白川文字学のように史料名や根拠が記されてないとにわかには鵜呑みにしがたいのですが、一応こういう説明もあったと言うことで。

昨日は、「雫」(しずく)という文字を書きましたが、「滴」も「しずく」。
AIサーチしてみたら、これらの違いの説明がとてもわかりやすかったです。

「雫」と「滴」はどちらも「しずく」と読み、水滴を表す言葉ですが、使われる文脈に違いがあります。「雫」は、雨や露など、自然な情景や文学的な表現に使われることが多いです。一方、「滴」は、より一般的な水滴や、醤油や点滴など、幅広い液体に使われます。」

確かに、昨日は、木の実と雨水のしずくが美しくて「雫」という文字に重ねてみましたが、「滴」もやっぱり美しい水のしずく。

「山、滴る」(したたる)、という美しい季節の表現があります。
秋は山粧う、冬は山眠る、春は山笑う。
夏の山は、青葉が生い茂って滴るように見えることから、「山、滴る」です。都心で暮らしているので、西の方に丹沢山塊と富士山が小さく見えるほか、身近に山の姿が目に映ることはありませんが、先週までの雨とここ数日の晴天のおかげで、近隣の樹木が一気に一回り大きくなっていることがわかります。まさに生い茂った青葉が滴るかのようです。

今日も青空。
初夏のような日差しに鳩たちも木陰で休んでいましたが、風が爽やかに吹いてありがたい1日でした。

「水滴」(すいてき)とは、文字通り、水のしずくのことですが、書道具の一つ「硯にさす水の器」の名前でもあります。墨は水分が蒸発しやすいので、文字を書くとき使います。書道具屋に行くとピンキリだけど、お醤油差しのような陶器が一般的です。

私はちょっと…物にこだわりが強いので、書道具屋のいわゆる”普通の書道具”はちょっと気分があがらず…
それで、いつも書道具とは全く別用途で作られた物の中から選んで代用しています。

最近、靖国神社の近くの手作りの和の器のお店で見つけて気に入っている「水滴」(すいてき)。
手作りガラスのミルクピッチャー。
ガラスを伝う雨の滴をイメイジしたという白い細い線が何本も描かれています。
水の滴はガラスと相性が良くてやっぱり美しい。。。

今日のおやつ
やっぱりブルーベリー🫐でおつかれさまでした。
いつもありがとう😘✨

仕事帰りに、閉店間際のお花屋さん、間に合いました。
キレイなバラが残っていてよかった。