Blog「星の光」

(2025年11月18日)

No.231 古代文字「能」お能 祈りの芸能

古代文字「能」
『字統』によれば、「能」は水中の昆虫の象形文字。
なぜ、水の中の昆虫の象形が「能」なのかはわかりませんでしたが、思いがけない字源で面白いし、字形もなんだか可愛いです。

先日、職場で開催された公開講演会。
組織外の方々にも広く公開され、観世流の能楽師・河村晴久先生が実演付きでとても興味深いお話をしてくださいました。
厳かに深く響く素晴らしい謡い、その場が一瞬にしてパワースポットになりました。

お能は多様な流れがありますが、世阿弥は能の理論を書き残していて、それが現代にも通用する素晴らしいものなのだとか。

面白かったのは、お能は「祈りの芸能」、日本文化の基盤であり、基盤であるとは継続性・伝統と革新・同時代性があること。そして、現代における能の役割は「祝福」「鎮魂」「自然との共生」だと説かれたことです。

「祝福」をテーマとする演目は、例えば結婚式で謡われる「高砂」など、この世は平和だと延々と言葉で謡い続ける。良い言葉を発すると良いことがあると考えられていたことによるものだそうです。
「鎮魂」は、落武者が亡霊となって現れ、無念な思いを語り僧侶などによって癒やされ魂が天に昇る場面を描く演目。このような演目を通じて、無数の魂が抱えるそれぞれの無念さ、理不尽さが昇華され、場が清められ、何があっても戦いが肯定されてはならないというメッセージが継承されていく。
さらにさまざまな演目の中に、山川草木に宿る精霊との対話を通した「自然との共生」を大切にした世界観が示され、全体としてお能が担う役割に平和を希求するメッセージ性があるのだと伝えてくださいました。

他に西洋のリズムと根本的に違う謡いのリズムや、「面」が西洋では隠すものである一方、お能の「面」は内側に隠れていたものを引き出し、「面」には神が宿っていると考えるものなのだとか…
興味深いこといっぱい。


先日のチラシ、ちょこっとだけですが…

それにしても…
お能は伝統の型の技をひたすら鍛錬して身につけていくもの。
制限だらけの伝統文化の世界ですが、型がなく「何でもあり」は「何もない」のと同じこと。
でも、同じ型で同じ演目を誰が演じても、それぞれの個性は必ず出るし、さらにそれぞれの時代との対話の中での「守破離」によって、やはり新たな能が日々生まれているのだそうです。

新たな創造を生む土壌を静かに準備する型の継承。
伝統の型という制限には、抑圧するものと、生み出すためのもの、2つの側面があるのだなと思いました。

お能の考え方も多様でしょうし、一つ一つのものの見方考え方に共感するかどうかはともかくとして、伝統芸能であるお能が「祝福」「鎮魂」という普遍的なテーマを担っているという捉え方がとても魅力的でした。

それと、やっぱり理屈抜きで、日本の伝統文化的なことに触れると、心がパッと明るくなります。
私の心の滋養、サプリみたいな感じで、何故か、伝統文化の美しさを思うとき、神さま、龍神、守護神を近くに感じるのでした。
たくさん日本の伝統文化に触れて、実際に楽しんでいけたらステキ。。。

素晴らしい機会を作ってくれた方々と
今日もやっぱり神さま、龍神、守護神に感謝✨🙏✨

今日のお夜食
胃に優しい低糖質食✨小豆粥🫘

おつかれさまでした。
今日もありがとう✨😘✨