





古代文字「心」
ズバリ、心臓の象りです。
昨年は、心に残る石との出会いがいくつもありました。
先日、私の宝物になった石のことをチラと書きましたが、そのほかの多くは、昨年訪れた神社で出会った石たちです。
時々、ぽつぽつと、それらの石と神社のことなど書きたいなと思っています。
今日は、昨年の早春の伊勢神宮・外宮で出会った「ハート石」のこと。
ちょうどお正月でもあるので、先に伊勢神宮のことを少し。誰もが知る神宮について、私が書くこともないですが、、、、
「伊勢神宮」は、正式には「神宮」といいます。
ご存知のように、「内宮」・「外宮」をはじめとする14所の別宮、43所の摂社、24所の末社、42所の所管社があります。これら125の宮社全てをふくめて「神宮」といいます。地元では親しみを込めて「お伊勢さん」と呼んでいます。
「内宮」は、正式には「皇大神宮」(こうたいじんぐう)で、「大御祖神」(おおみおやがみ)とされる「天照大神」(あまてらすおおみかみ)が祀られています。
「外宮」は、正式には「豊受大神宮」(とようけだいじんぐう)で、衣食住をはじめ産業の守り神の「豊受大神」(とようけのおおかみ)が祀られています。
(伊勢神宮公式サイトhttps://www.isejingu.or.jp/about/)
これもご存知と思いますが、「伊勢神宮」は先に外宮でお参りしてから内宮にお参りに行くのが、参拝のお作法とされています。
まず外宮に列車で行くには「伊勢市駅」。外宮から内宮へは少し距離があります。内宮の最寄駅は「宇治山田駅」か「五十鈴川駅」ですが、外宮・内宮間を結ぶバス移動が便利です。
また、徒歩なら30分〜40分くらいなので、外宮近くの「猿田彦神社」(さるたひこじんじゃ)や域外別宮「皇大神宮別宮 月讀宮」(つきよみのみや)などにも立ち寄りながら、歩いて行かれるとまた、伊勢の神々の世界をより一層味わえるのではないかと思います。
「猿田彦神社」は、天孫降臨の道開きの神で、高千穂に「瓊瓊杵尊」(ににぎのみこと)を案内した猿田彦大神(さるたひこおおかみ)が祀られています。境内社には「佐瑠女神社」(さるめじんじゃ)があり、「天宇受売命」(あめのうずめのみこと)が祀られています。「天宇受売命」は天照が岩戸に閉じこもったとき、神楽を舞い、そこに集まった八百万の神々が喜び笑い、天照大御神が再び現れたといわれています。
「皇大神宮別宮・月讀宮」(つきよみのみや)は、天照の弟神の月讀と御親神の伊弉諾・伊弉冉尊(いざなぎ・いざなみのみこと)がお祀りされています。
外宮の正宮入り口付近(2024年8月撮影)
内宮の正宮入り口付近(2024年3月撮影)
…ということで、
神話の世界、日本の神々の世界はとても面白いので、神宮の説明が長くなりましたが、下の写真「ハート石」は、外宮域内の別宮の近くにあります。
昨年の3月、親戚の祝事で関西に行ったので、伊勢まで足を伸ばしました。
神宮周辺は平日でも多くの観光客や参拝客で混み合っていますが、この日は春休み中にもかかわらず閑散としているほどの悪天候。
かなり気温も低くて、参拝せずに帰ろうか迷っていると、あるジンクスが浮かんできました。
神社参拝で、神様に歓迎されている時は晴れて、参拝途中から雨が降れば龍神や神様が願いを叶えてくれるしるし、でも、参拝前から雨が降っていたらザンネン!と言うジンクスです。
「ジンクス」とは本来「縁起の悪いもの(こと・人)」をいいます。
そもそも根拠があるわけではないジンクスに影響受ける必要などないのですが、引き返そうと思った瞬間、「人ばらいの雨」という言葉も浮かんできました。人が参拝を見合わせる程のひどい雨は、「人ばらいの雨」と言って、静かに一人で参拝できるようにしてくれているありがたい雨というものです。
これにも根拠などないはずですし、要は、良い面悪い面あるなかで、自分がいずれにコミットするか選択すれば言い訳ですが、それでも言葉の力って大きいものです。
結局、「人ばらいの雨」という言葉にホッとして参拝することにしました。
神宮はかなりの広さで、参道も距離があり、傘があってもずぶ濡れです。
なんとか正宮にお参りし、さらに、外宮域内にある別宮目指して歩いていました。
正宮に次ぐお宮を別宮といいますが、外宮の域内には「多賀宮」「⼟宮」「⾵宮」の3つの別宮が鎮座しています。
その時、「「ハート石」ってご存知ですか?」
と、一人のご婦人が声をかけてくださいました。
なんでも、地元の方で、雨の日でも毎日、伊勢神宮に参拝しておられるのだとか。
知らないと答えたら、ハート石まで案内してくださいました。
そして、この石は、見られた人にとっての幸せの縁結びの石だと教えてくださり、
「他にも亀石、眠っているお地蔵さま石というのがあって、この3つを見つけてお参りすると願いが叶うと言われてます。あなた個人の願いが叶いますから、あなた個人のお願いをしてくださいね!」と、他の2つの石がどのあたりにあるのかも教えてくだいました。
とても不思議な出会いでした。
子供の頃から何度も訪れた外宮ですが、ハート石なんて初めてききました。
それこそなんの根拠もないのに、それでも言葉の力はやっぱり大きいものだと思いました。
きっと、あのご婦人は、雨で足元もぐちゃぐちゃになりながら、一人で別宮にまで向かっている私が哀れに見えたのか、何か思い詰めてなりふり構わず参拝に来たように見えたのか…。
心に温かい火を灯してあげたいというような優しさを、「あなた個人の願いを」と念押しするかのような語気に感じて、今でも時々この言葉を心強くありがたく思い出します。
子供の頃から何度か、伊勢神宮は個人のお願い事で訪れる神社ではないときいたことがありますし、実際、私は、世界平和とか人のことを祈ることは多くても、自己肯定感が低すぎて個人的なお願いを伝えることが苦手です。
そんな中、思いがけず出会った「人ばらいの雨」と優しいご婦人と、3つの石に感謝しながら、私個人のお願いをしました。
手を合わせていたら、きれいな山鳩が足元に飛んできて、やっぱりなんの根拠もないのに、山鳩が神様の遣いのように思えて嬉しかったのでした。
あれ以来、自分の幸せ、大切な人の幸せ、世界中の人々の平和を願っています。
いつの日か祈願成就して、お礼参りに行けますように🙏
風宮の近くの石垣の「ハート石」
域内別宮に向かう道にある「亀石」
多賀宮近くの御敷地の石垣の「眠っているお地蔵さま石」