





古代文字「魂」
会意字。「云」と「鬼」からなる文字。「云」は「雲」の初文で、雲気の形。
雲の中に頭を隠して、竜が巻いた尾を見せる形で、雲中には竜がいると考えられていた。(cf. Blog No.6)「鬼」は「雲気となって浮遊すると考えられていたのであろう」と『字統』に書かれています。
たまに、旅行エージェントの日帰りバスツアーに申し込んで、足がないと行けない神社を訪れています。各社とも大抵、1万円以下、東京駅周辺か新宿バスタを朝6時半ごろ出発、夕方5時頃には出発地点に戻ってくるというお手頃&お手軽ツアー。
しかも、最近のバスツアーは、女子一人旅でも参加しやすいような配慮があります。例えば、少し割高で二人がけのシートを一人で占有する「2席1人使用」が申込めたり、普通席でも、女性一人の申込み時には、隣席も女性になるよう配置してくれたりします。
これまで何度もいろいろなバスツアーを利用しましたが、不快な思いをしたことは一度もありません。
今のところ、健康と少しの可処分所得とスマホさえあれば、一人旅女性も大変な思いをすることなく、いつでも、どこにでも行るようになっていて、本当にありがたい時代です。
というわけで、前置きが長くなりましたが、今日は「思い出の石シリーズ」
愛しき「鉄電気石」、君が代のもとになった和歌の「さざれ石」、神宮「ハート石」に続いて4石目。
昨年秋にバスツアーで訪れた、茨城県日立市大甕(おおみか)にある「大甕神社」の「宿魂石」(しゅくこんせき)です。
実は、そのバスツアーのお目当ては他の神社(カンブリア紀の地層の上にあるお岩神社・奥の院かびれ神宮)だったのですが、ツアー当日、ここも旅程に含まれてることを知った初耳の神社でしたが、とても素晴らしいところでした。
大甕神社は、社伝によると創祀は皇紀元年(紀元前660年)という大変古い神社です。
御祭神は、主神が女性の神様「武葉槌命」(たけはつちのみこと)で、織物の神様といわれています。そして、地主神として、星神様といわれる「甕星香々背男」(みかぼしかがせお)が祀られています。
その昔、鹿島・香取の二神がこの地を平定するも、唯一、甕星香々背男(みかぼしかがせお)という星神さまだけは征服できずにいました。そこで、二神に替わって大甕に赴き、地主神の霊力を宿魂石に封じたのが倭文神武葉槌命であったと伝えられています。
甕星香々背男(みかぼしかがせお)という神様がヤンチャで、こともあろうに、女性の神さまに宿魂石に封じられてしまったというお話が、天照大神とやっぱりヤンチャな弟神スサノオノミコトの神話を思い起こさせます。でも、本当のところは、女性だから言うこときいといてあげようという感じだっんじゃないかな、優しい神さまだなと、勝手に思うわけです。(すみません、全く個人的な妄想⁈です。アカデミックな根拠はありません。ご不快な思いをされた方がいらしたらお許しください!)
とにかく、スサノオノミコトが大好きな私は、私の勝手なイメージがかぶる甕星香々背男にもとても親しみが湧き、思いがけず立ち寄れたということもあって、これは星神様が私を呼んでくださったに違いない💓と、勝手に思い込んで悦にいっていたのでした。
写真にある「宿魂石」の立て札には次のように説明されています。
「宿魂石」
「大甕神社創祀の由来となっている「宿魂石」は、境界(結界)に祀られた「大甕」と称する磐座です。当地は古代「大倭国」大和朝廷の支配の及んだ地域を未知の世界「高天原」にも例えられる「日高見国」との境界に見立てられ磐座には地主神、甕星香背男が祀られております」
この説明に出てくる「磐座」は、ご存知のように「いわくら」と読みます。
古神道において神が宿る神聖な場所とされた巨石などをさします。
大甕神社の宮司さんによると、この磐山全体を「宿魂石」といい、磐山は5億5000万年前のカンブリア紀の地層だということでした。
大甕神社では、甕星香々背男の荒魂(あらみたま)を封じた宿魂石を内符にした御守「甕星守」(みかぼしまもり)を、毎月一日だけ頒布しています。「夜の世界を支配する強い御力で悪運を祓い、開運を導きます」とのこと。
ちょうど、バスツアーが1日だったので授けていただけて嬉しかったです。
ですが、ツアーの短い滞在時間で、名残惜しくて仕方なく、実は後日、自力で大甕に行く方法を調べ、列車「スーパー日立」に乗って、再び甕星香々背男の「宿魂石」を訪れたのです。(大甕駅から徒歩15分)
先のバスツアーでは、大甕神社を訪れたことも嬉しかったですし、「宿魂石」を込めた珍しいお守りを授けていただけたことも嬉しかったのですが、何かを祈願するとかご利益を願うとか、そういった神社参拝とは全く異なり、初めて知った甕星香々背男という神様にただ思いを巡らしながら磐座に触れている時間が、なんとも言えないシアワセな感覚だったのです。
2度目の参拝時には、御朱印をいただきました。
ほとんど参拝客がいなかったせいか、優しい宮司さんがいろいろなお話をしてくださいました。
そして、思いがけず、うちの近所の氏神様「四谷須賀神社」の話が登場!!
アニメキャラで大甕神社とつながりがあるのだという面白いお話をうかがいました。
四谷須賀神社は、新海誠のアニメ「君の名は」で主人公たち瀧と三葉が出会う舞台となったことから、今はアニメの聖地といわれて観光スポットのひとつになっています。毎日朝から夕方まで続々と国内外からアニメファンの若者たちが訪れ、アニメと同じ神社の階段途中で写真を撮っています。
このアニメにはスピンオフ小説があり、主人公の三葉のお父さんとお母さんが初めて出会うシーンがあるらしいのですが、その場所がこの大甕神社なのだそうです。
大甕神社では、毎年7月7日「甕星祭」という祭儀が行われています。
主神の武葉槌命(たけはつちのみこと)が、女性で織物の神様でもあることから、星神の甕星香々背男と武葉槌命が七夕様の牽牛と織女のお話ともかぶるということで、今では、「甕星祭」に「君の名は」のスピンオフ小説を知る若者たちも多く訪れるようになっているのだそうです。
いくつか大甕神社の写真をUPしてみます。
この磐座の宿魂石を、備え付けの鎖をつたいながら、頂上にある甕星の社まで登ります。
スニーカーか、トレッキングシューズで‼︎
甕星が星神様なので、社殿にはお星様のモチーフ。
せっかくなので、四谷須賀神社の写真と「君の名は」の名シーンの階段も。
四谷須賀神社(主祭神はスサノオノミコト)
瀧と三葉が出会う階段