Blog「星の光」

(2025年2月1日)

No.56 古代文字「春」立春とユネスコ無形文化遺産・中国の二十四節気(令和7年は2月3日)

金文字「春」

現代では「春」という文字を見ればほとんどの人が明るい気持ちになると思いますが、字源では意外に季節としての春を示しているわけではないようです。正字は「◯」(しゅん)。すみません!!!肝心なところの文字がPCのフォントでは出てきません🙇‍♀️
この金文(青銅器に鋳込まれた字形)の「春」は、正字と似ています。
「春」は形声字で、声符は「屯」(とん)。
白川先生のご説明の中で、中国の古い書物を引用して「春」の用例をいくつも解説されているのですが、まず日本語が難しい…さらに説明に出てくる語も難解で、不勉強な私では何を言っているのか理解できない部分がいくつもありました。
ぼちぼち勉強していくとして、白川先生のご説明の中で、要するに「春」はわかっていないことも多い文字だけれども、現代のように春夏秋冬の春を表した用例はない!というです。
ですが、「春はおそらく陽光と関係のある字で、動く、かがやくの意をもつ語であろうと思われる」と結んでいました👏👏👏
ありがたい文字ですね。一年中、いつでも春が光り輝く✨

今年、2025年の「立春」は2月3日
「立春」とは寒さも峠を越え、春の気配が感じられるとき

下の写真は2枚とも、新宿御苑の「寒桜」、寒い時期に開花する桜です。

今までに何度か、日本の季節の暦としての「二十四節気」(にじゅうしせっき)「七十二候」(しちじゅうにこう)「雑節」(ざっせつ)などについて説明してみましたが、はじめて国立天文台の公式サイトの「こよみ用語解説」(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/faq/24sekki.html)と、同じく国立天文台の「暦Wiki」(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/)を見たら、明確な説明がとてもわかりやすかったです。
そして、このサイトで、なんと「二十四節気」は、中国の申請によって2016年にユネスコの無形文化遺産になっていたことを知りました👏

「二十四節気」について、今まで、あちこちの説明を読んで一応はわかっていたものの、今一つ満たされない理解というのか、なぜ!?なんで!?どうしてそうなの!?っていう言葉が後に残って消化不良気味でした。
それが、THE 国立天文台✨という感じの理科っぽい説明で理解が進みました。
とても嬉しかったので、まもなく迎える「立春」の説明とともに再び二十四節気のこと書いてみます。

「二十四節気」は季節を表す言葉で、その瞬間を指すこともあれば、そこから始まる期間を指すこともあるそうです。
これって、大事なポイントですよね。
色々な説明でこの両方が混在しているので、あれ!?と思いますが、点と線両方です。

で、季節に関することを知るには、そもそも地球ってどんなふうに宇宙空間に浮かんでいる星かを知ることが大切です✨

脳を鍛えるには運動が一番!ですが、地球も頑張って毎日絶え間なく運動しています。
地球は岩石惑星なのに、頑張って回ってるんですね。
それも、2種類の回り方を同時にしながら宇宙空間でがんばってて、地球って偉いです!!👏
この2種類の運動の一つは「自転」です。地球自身が1日1回、ぐるっと1回転しています。
もう一つは「公転」です。地球は1年かけて、太陽の周りをぐるっと1回転しています。

そして、なぜ季節が変化するかというと、地球が公転する軸を公転面に対して垂直ではなく、約23.4度傾けたまま公転していることが原因です。なんか、小学校の時の理科の授業、懐かしいですね😭

地球が、傾いた軸のまま太陽の周りを公転するので、

北極側が太陽を向く時期=北半球の夏=南半球の冬
南極側が太陽を向く時期=南半球の夏=北半球の冬
自転軸が太陽に垂直な時期(太陽は赤道上にくる)=春と秋

という状況が順番に繰り返される、つまり、地球の公転に伴って、夏→秋→冬→春→夏という「季節」が繰り返されます。つまり、この状況を逆にみて、地球が公転軌道上のどの位置にいるかによって、季節がわかることになります。

冬至・夏至・春分・秋分はその代表的な例で、この4つの季節をより細分化した二十四個の目印のことを二十四節気あるいは二十四季といいます。
もう少し専門的にいうと、二十四節気は、1年の太陽の黄道上の動きを視黄経の15度ごとに24等分して決められています。
太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていましたので、全体を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けて、「節気」(せっき)と「中気」(ちゅうき)を交互に配しています。

中国・日本の太陽太陰暦(旧暦)では、1月から12月までの各月に以下の節気と中気がありますが、例外的に月に2つ入ったり1つも入らなかったりする時が出てきます。日本や中国では、日付が一方的にずれていかないよう、二十四節気を基準に、中気のない月に「閏月」(うるうどし)を設けて調整しています。
✨1月から12月の「節気」とは、立春・啓蟄・清明・立夏・芒種・小暑・立秋・白露・寒露・立冬・大雪・小寒
✨1月から12月の「中気」とは、雨水・穀雨・小満・夏至・大暑・処暑・秋分・霜降・小雪・冬至・大寒

このように、二十四節気を用いて季節のズレを判定し、閏月を挿入する方法を「歳中置閏」といい、国立天文台の説明によると、このために二十四節気が考案されたとも言えるようです。そして、二十四節気の基点は冬至であり、古来より当時を観測することで暦を正していたそうです。

ということで、
あらためて「立春」とは寒さも峠を越え、春の気配が感じられるとき
今年、2025年の
「立春」は2月3日です

寒い中で咲く「寒桜」(上)と「白梅」(下)
新宿御苑にて、2024年2月撮影。

梅一輪 気骨の人ぞ 逝きたまふ

かなり前のことですが、父方の祖父が亡くなったのは、梅の花の頃。
ある方が葬儀で祖父におくってくださった句です。

祖父は数え年なら100歳超え。
大正生まれでしたが、今でいう典型的な多動性ADHD人って感じでした。
大病して入退院を繰り返していた大変な時期もありましたが、生涯働き続けて長生きでした。
地方公務員として日本の戦後の公教育に力を注ぎ、定年後もずっと公務にかかわらせていただいてました。
さまざまな社会の一般的な考え方に対して、いつも逆からモノを言う人で、小さい頃はおっかなくて、あまり近づきませんでしたが、教育をすごく大事にしてて、達筆で、とんでもなく頑固で、まさに「気骨の人」でした。

家の近所の公園で、梅が綺麗に咲きました。
わかりにくいですが、スズメがたくさんとまっています。

二十四節気 参考
✨四季の変化・8つ:
立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至。(春・夏・秋・冬立は「四立」で四季の開始を示す)
✨温度の変化・5つ:
小暑、大暑、処暑、小寒、大寒
✨天気の現象・7つ:
雨水、穀雨、白露、寒露、霜降、小雪、大雪
✨物候の現象・4つ:
驚蟄、清明、小満、芒種