





古代文字「賀」
会意字。「加」は農具のスキ。スキを祓い清めて、その生産力を高めるための儀礼を示す。貝も生産力を高め、魂振り的な呪能をもつとされるもので、両者を合わせて、生子儀礼や農耕儀礼に用いる字だということです。
食料確保が生存に関わる切実なことだった古代、雨乞いなど自然の諸現象に関する呪術的な儀礼だけでなく、収穫をもたらす農具を祓い清めるような農耕儀礼も重要な意味を持っていました。
そういえば、先日、メモ帳に子安貝の象形「貝」という甲骨文字を書きました。
『字統』が手元になかったので、貨幣価値をもつものということだけしか書けませんでしたが、「賀」にも含まれる「貝」、あらためて調べてみました。
確かに、「貝」は金属類のものが通貨として普及するまで、通貨的な財貨としての地位を占めていたそうですが、貨幣価値を有しただけでなく、子安貝は古く呪器であり、呪飾として珍重されたものであったとも書かれています。
非科学的な古代、農耕儀礼の力を高めると信じられていたものは財宝だったのですね。
人類の進歩発展は、本当に凄まじいです。
⛩️Blogお伊勢参り、今日も昨日に引き続き別宮です。
今日は豊受大神宮(伊勢神宮外宮)の域内別宮「多賀宮」(たかのみや)です。
「多賀宮」のご祭神は、「豊受大御神荒御魂」(とようけのおおみかみのあらみたま)。
伊勢神宮の公式サイトには、「多賀宮」のことが次のように説明されています。
多賀宮は今から約1500年前、第21代雄略天皇22年に天照大御神の御神勅によって豊受大御神が丹波の国から御饌都神(みけつかみ)として迎えられ、豊受大神宮が創立されたのと同時に創建されたと伝えられています。
多賀宮は、外宮に所属する四別宮のうち、第一に位しています。殿舎の規模も他の別宮よりも大きく、正宮に次ぐ大きさです。ご祭神は、豊受大御神の荒御魂。神様の御魂のおだやかな働きを、「和御魂」と申し上げるのに対して、荒々しく格別に顕著なご神威をあらわされる御魂の働きを、「荒御魂」とたたえます。
ということで「荒御魂」(あらみたま)とは、「和御魂」(にぎみたま)に対して「荒々しく格別に顕著なご神威をあらわされる御魂の働き」✨なんですね。
なんだかとっても素敵です。
それで、実は当初、今日の古代文字は「荒」を書こうと思っていたのです。
現代の「荒」という文字からイメージする「荒っぽさ」という言葉や、神宮の「荒御魂」の説明でもあるように「荒々しい」という言葉を、私は良い意味合いで受けとめています。
ところが、「荒」の字源を調べてみると、古代の「荒」は、「荒々しく格別に顕著なご神威をあらわされる御魂の働き」✨とはイメージ的にギャップがありすぎました。『字統』によれば、「荒」は、くさかんむりと、下の部分(コウ・PCではフォントが出てきません)からなる文字ですが、この下の部分は、残骨になお髪の毛が残っている死者の象り😨しかも、それが草間に棄てられていることを荒というのだとか😱
もちろん、字源の意味も、現代に至るプロセスで徐々に変化したり、他の意味が加わったり、コロッと転義したり、文字が言葉になった時にもまた新たな意味を帯びてきますから、文字の元々の意味を気にすることはありません。
文字の成り立ちって、いろいろあって、現代のイメージとのギャップや、特に良いと思い込んでいる文字のルーツが意外や意外…なんてことがあると、それはそれで結構面白いです。
ただ、せっかくのお伊勢参り、豊受大御神さまの素敵な「荒御魂」✨のご紹介…💓というときに、やはりこの字源で文字を書くよりは…ってことで、お名前の「多賀宮」から真ん中の「賀」を書いてみました。
豊受大御神は衣食住の守り神さまなので、「賀」の字源と合っていていい感じです👏
では、別宮「多賀宮」✨
「多賀宮」は、豊受大神宮の鳥居を2つくぐって右手に神楽殿を越えて、正宮に向かうと左前方に御池があります。神宮サイトには、「御池にかかる亀石を渡り、98段の石段を上った小高い丘の上に鎮座します」と書かれています。
これは一つ目の鳥居です。
下の写真が亀石です。
この亀石を渡って少し行くと左に「風宮」が見えてきます。右には「土宮」という別宮がありますが、「多賀宮」が豊受御大神の荒御魂で一位の別宮なので、こちらに先にお参りするのが一般的だと思います。
以前のBlog.28でに書いたハート石は「風宮」の御敷地の石垣にあたるところにあります。
このハート石を過ぎて、例の98段の石段を登ります。
昨年の春、土砂降りの中を別宮に向かっている時、地元のご婦人が「あなたの個人的な願いが叶います」と優しく声をかけてくださいました。そして、願いが叶うと言われている「亀石」「ハート石」「寝ているお地蔵さん石」のことも教えてくださいました。(cf.Blog No.28)
その後の夏に参拝した時も、先日も、そのご婦人と石のことを思い出し、感謝しながら参拝していました。
「亀石」「ハート石」に続いて、「寝ているお地蔵さん石」というのは、「多賀宮」への98段の石の階段を登り切ったところにあります。
この階段が98段あるとわざわざ神宮の公式サイトに書かれているのは、何か意味あってのことなのかな…と思いながら、「多賀宮」が鎮座する小高い丘へと階段を登りました。
神宮の豊かな森林、清らかな澄んだ空気に包まれ、神聖な気持ちで「荒御魂」の本殿にお参りし、気がついた時には、階段の数も「寝ているお地蔵さん石」のことも両方スコーンと忘れていました。
もしかしたら、98段の意味は、いろいろなこと忘れて、豊受大御神荒御魂サマ💓のところにうかがうために必要な段数だったのかもしれないと思いました。トップ✨プライオリティ以外のことをすっかり忘れて参拝してこれたことが妙に嬉しかったのです。
普段はそんなことないですから。
でも、やっぱり、下界に戻るというのか現実に戻ってくると、せっかく外宮まで来たのに、あんな優しいご婦人に教えてもらったこと忘れちゃったなと、すごく気になりはじめました。
根拠のない言い伝えなのにな…しかも、外宮でお地蔵さん石だなんて…と思いつつも、結局、翌日、二見の後にもう一度外宮に参拝、再び別宮にもお参りして「寝ているお地蔵さん石」にもごあいさつして、ほっとして帰路についたのでした。
この次の参拝の機会は、内宮から。
多賀宮の社殿のお隣の御敷地です。次の遷宮でお建て替えの時にここに社殿が建てられます。
この写真の右の方の石垣に、「寝ているお地蔵さん石」
この写真だけ、2月5日撮影。
あとの写真は2月4日撮影。
情報源
伊勢神宮公式サイト
https://www.isejingu.or.jp/