Blog「星の光」

(2024年12月13日)

No.7 吉祥のシンボルと図象文字「風」

世界の各地で、古くから人々は幸運にあずかろうと、さまざまな「吉祥」の方法を生み出してきました。

『古今東西 吉祥の印』の著者、多田文昌氏によれば、「個々の吉祥の起源と意味を調べると、勘違いから始まったことや、こじつけ、ただの妄想でしかない迷信」であったりするのだそうです。ですが、思い込みによって「吉祥の効能」は生まれ、鏡のように反射するのだとも述べられています。
(引用元 多田文昌著,『古今東西 吉祥の印』,木耳社, 2006)

目に見える存在を吉祥のシンボルとする場合と、目に見えないものを何らかの形にかたどって吉祥のシンボルにする場合とはそれぞれ意味合いが異なると思われます。しかし、いずれの場合でも、私は吉祥のシンボル(象徴)というものは、それ自体で大きな力を持つものだと感じています。目に見えるもの見えないもの、それぞれの元々の存在のエネルギーのようなものでしょうか。

「シンボル」(symbol)とは、何らかの意味を表象するために用いられる記号(sign サイン)の一種。例えば、「四葉のクローバー🍀」は「幸せのシンボル」、数字の「1111」は「エンジェルナンバー」と言われるように、抽象的なもの、目に見えにくいものなどを具体的に示す、いわゆる「象徴」です。
古事記、日本書紀、桃太郎伝説にも登場する「桃」は、古来、陰陽道では桃は魔除け厄除けの果物とされています。
昆虫「カマキリ」は神の遣いとされ、神社で見かけると縁起が良いのだと言われています。

シンボルとされる存在そのものが放つエネルギーをいかに作用させるかは、その後の人々とシンボルとのかかわりの歴史次第なのだと思っています。幸運の吉祥に意識を向け続けていきたいものです。

晴明神社の「厄除桃」


神の遣いと言われる縁起ものの昆虫「カマキリ」
明治神宮の手水舎で(2024年10月)

言葉や身振りや数字などの他、吉祥のシンボルとして、用いられてきた古代の象形文字・図象文字もたくさんあります。
「風」という文字は、神の遣いとされている霊鳥「鳳凰」の象りです。

風は、この神鳥が羽ばたくときに起こると考えられていました。

古代文字「風」

古代の図象文字「亀」

古代エジプトのアミュレット「アンク」
文字としては「生命」を意味し、生命の不滅、不死、神聖、活力のしるしとされています。