





「アミュレット」とは、いわゆる「御守り」のこと。
一般的に、世界では、魔除けやお守りとして身につけるアクセサリー類や携帯できるもの全般、アミュレットと呼ばれているようです。日本では、多くの神社仏閣で「御守り」を授かることができます。「No.7 吉祥のシンボルと図象文字」でお話しした吉祥のシンボルが、しばしばお守りのモチーフに用いられています。
さまざまな御守り
写真左上から、「おめでたい」ことを示す「鯛」の張り子のおみくじ。「一年安泰」と書かれています。写真の鯛は東京の猿田彦神社のものですが、各地の神社で同じおみくじがあります。
左上中央の白い御守りは、アメノミナカヌシさまのご加護を祈願した水天宮の「神御守」。モチーフは神を象徴する「黄金の龍」です。
左上右は、晴明神社の夫婦和合・縁結びの「陰陽守」。陰陽男女を表す太極図がモチーフ。
京都・一条戻り橋の晴明神社(京都・一条戻り橋)は、陰陽師安倍晴明公をお祀りしています。
写真下左は、茨城県日立市の大甕神社(おおみかじんじゃ・正式名称を大甕倭文神宮)の「浮き玉」を模した久志御玉(くしみたま)の運気上昇祈願の御守りです。
「浮き玉」を模しているのは、浮き玉が決して沈まないことにあやかっているのだそうです。
大甕神社は、正式名称を大甕倭文神宮といい、茨城県日立市の大みか町甕星香々背男
写真下中央も、大甕神社のもので「星守り」。夜の世界を支配すると言われている甕星香々背男の宿魂石が納められていて、闇の力を祓ってくれる御守りと言われています。毎月1日に授かれる御守りです。
下右は、「勾玉」(まがたま)の形をした紅水晶の御守りです。光の柱で知られる御岩神社の御守り。
勾玉は、さまざまな神社でお守りのモチーフになっていますし、一般的なアミュレットとしても人気が高い吉祥のシンボルの一つです。御岩神社の光の柱とは、宇宙から地球の眺望で、とりわけ光っている箇所があり、調べたら御岩神社だったと言われていますが。話の真相はいかに…!?というところでしょうか。
一方、「護符」とは、神仏のご加護や除災を祈念して、神仏の名や姿、真言などを記した御札のことで、「呪符」ともいいます。江戸時代に活躍した陰陽師、安倍晴明公がつくられた「五芒星」(ごぼうせい・英語ではペンタグラム)は護符としてよく知られています。
「晴明桔梗」とも呼ばれている「五芒星」は、あらゆる魔除けの呪符としてお星様の形をしていますが、これは「トゲ」を表しているらしいです。トゲで邪気を払うという説もあります。(NPO法人小さな天文学者の会公式サイト,山口 康広・柴田 晋平「星はなぜ ☆ とかくか?」より)
国土交通省の公式サイトには、「五芒星」のことが次のように説かれています。
「五芒星は晴明神社の主要なシンボルであり、伝統的な陰陽論的宇宙観(陰陽道)の 5 要素である木、火、土、金、および水を表しています。これらの要素の相互作用や、その他の宇宙の謎は、安倍晴明(921~1005 年)が専門としていた分野でした。有名な占星術師であり、皇室の相談役であった彼は、死後に神格化され、京都を災厄から守るため、自身が住んでいた土地に祀られるようになりました。」
古代もエジプトの象形文字にも同様のものがあり、こちらは「トゲ」が線で描かれています。
五芒星(晴明桔梗)
晴明神社(2024年3月撮影)
「五芒星」をあしらった晴明神社の徹下
(てっか・ご祈祷のお下がりのこと)
晴明神社の「九字切り」
(九字切りとは「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈る作法)
国宝の「弥勒菩薩半跏思惟像」で知られる広隆寺にも五芒星