Blog「星の光」

(2025年3月19日)

No.92 古代文字「今」伊勢神宮式年遷宮 神さまのお引越し(その1)

古代文字「今」

もとは象形文字で、栓のある器物の蓋の形。これを酒壺の樽に施したものは「イン」。これを飲むことを示したのが「飲」の初文。「今」は酒壺などの栓のある蓋の形であるが、「今」をその意味で用いることはなく、これを古今の今の意味にのみ用い、その初義は失われている。このような関係を仮借といいます。

落款も私の作です👏
(これは、彫る字形は、史料をもとに篆刻家の先生に書いていただきました。私は彫っただけですが、彫りやすくなってきたので、自分で言うのはなんですが少し上達できたような気がします。)

先月、立春の日から2泊3日、帰省のついでにお伊勢参りしてきました。
Blogでは、お伊勢参りの始まり、二見浦の禊の浜と猿田彦大神の霊石を祀る二見興玉神社から豊受大神宮(外宮)、外宮の域内外のいくつかの別宮、皇大神宮(内宮)といくつかの内宮域内外の別宮、おはらい町などを簡単に紹介してみました。

その中で、ところどころに、本殿の隣に何のお宮も建てられていない「御敷地」の写真もUPloadしました。

外宮の次のご遷宮のための御敷地

次のご遷宮で本殿が建てられる場所です。詳しくはまた改めて…ということにしていましたので、今日と明日の2回に分けてご遷宮のこと書きたいと思います。

ご遷宮とは、神社の修理や建て替えで、神殿の御神体を別のところに遷すことを言います。
御神体にお遷りいただくということから、「神様のお引越し」と言われたりします。

「式年」とは、一定の年数のことで、「式年遷宮」とは、一定の期間ごとに神殿をたてかえご神体を遷す伝統的な日本の神社の行事です。伊勢神宮の「式年遷宮」がよく知られていますが、神宮の式年は20年。
20年ごとに新しいお社が建てられますが、この神事はなんと8年もかけて行われます。(詳しくは次回のその2で)

伊勢神宮では、「衣・食・住」のすべてが自給自足、自然の恩恵によってまかなわれ、それらは祭儀を通じて継承されています。食事が大事な神事とされ、「食」は毎日「日別朝夕大御神饌祭」(ひごとあさゆうおおみけさい)によって、「衣」は季節毎に「和妙」(にきたえ・絹)と「荒妙」(あらたえ・麻)の神御衣(かんみそ)を奉献する「神御衣祭」(かんみそさい)によって、そして「住」は20年ごとに「式年遷宮」によって、穀倉・高床式倉庫の原型といわれる建築様式の神殿がととのえられています。

第1回の式年遷宮が内宮で行われたのは、持統天皇4年(690)のことで、以降、1300年にわたって続けられ、昭和48年に第60回、平成5年には第61回、 2013年平成25年第62回遷宮が行われました。次の第63回ご遷宮は2033年令和15年です。

用材の檜をまかなうため、大正12年から200年計画で檜の造林事業が進められ、毎年植樹が行われています。立替えられたあとの古い建築材は神宮内の他の社殿や施設に使用したり、日本各地の神社に譲り渡される再利用の仕組みがあるそうです。
下の写真は、伊勢神宮の式年遷宮のことを学生たちに伝えるために頑張って作ってたパワポのスライドです👏

私の授業、人が幸せに生きるための意識転換とその具体的な方法について話しています。
非物質次元の世界と物質次元が密接につながっていることを前提にしているので、スピリチュアリティや神社のことや超越的次元、究極環境、自然環境、生活環境、社会環境から、具体的で現実的な吉濱メソッドまでいろいろ。体系的に伝えられるように頑張ってます。

神宮の式年が20年である根拠は、史料にはどこにも記されていないそうですが、人生のひとつの区切りの年数、人が育つに十分な時間を待つことで、遷宮に必要な建築技術や伝統工芸が形式知化されずに人の知恵と技とによって守られ、伝えられるのではないかと思われます。また、神の威厳を保つための神殿の耐用年数ではないかなど、他にも幾つもの理由が考えられているようです。

伊勢神宮でいただいた「伊勢神宮式年遷宮広報部発行パンフレット」に興味深いことが書かれていました。
神道における「常若」(とこわか)という考え方です。
これは、万物すべてに魂が宿り、それを常にリフレッシュしていくことによって何度でもその原初のエネルギーに満たされるという考え方だそうです。遷宮の思想的な根拠のキーワードとも言えますね。

そして、神道では、現在を“神代を継承しているもっとも重要な今”と捉えるそうです。
この神道的な「今」と、山川草木、人間も鳥獣も分け隔てなく捉え、その背景には必ず神々が坐すという意味での「自然」(かむながら)の思想。

日本は古来から時も空間もひとつの循環の中で互いに分かち難く捉えられ、その中で神々の世界と人間界がつながっています。

今日の空 デスクから見えた一塊の雲が、
何か喋りながらこっちに向かってきそうで可愛いかったです。

お疲れ様でした。
お布団に入って、流れる雲のようにいろんなイメージ眺めながら寝ます💤

今日もありがとう😘