
古代文字「魂」
会意字。「云」と「鬼」からなる文字。「云」は「雲」の初文で、雲気の形。
雲の中に頭を隠して、竜が巻いた尾を見せる形で、雲中には竜がいると考えられていた。
「鬼」は「雲気となって浮遊すると考えられていたのであろう」と『字統』に書かれています。
毎年、七夕さまの7月7日、「甕星祭」(みかぼしさい)という祭儀が行われる「大甕神社」(おおみかじんじゃ)。“星神様の「宿魂石」(しゅくこんせき)”で知られる茨城県日立市大甕にあるとても古い神社です。社伝によると創祀は皇紀元年(紀元前660年)。
御祭神は、主神が女性の神様「倭文神武葉槌命」(しとりがみたけはづちのみこと)、地主神として、星神様と呼ばれている「甕星香々背男」(みかぼしかがせお)が祀られています。
その昔、この地を鹿島・香取の二神が平定しましたが、唯一、甕星香々背男だけは征服できずにいました。そこで、二神に替わって大甕に赴き、地主神の霊力を宿魂石に封じたのが倭文神武葉槌命であったと伝えられています。
主神の武葉槌命(たけはづちのみこと)が、女性で機織り、織物の神様でもあることから、星神・甕星香々背男とともに七夕さまの牽牛と織女のお話のモデルとなったのではないかという説もあるそうです。
社殿のあちこちにお星さまのモチーフが施されています。
たまたま、参拝客がほとんどいないタイミングで、優しい宮司さんが社伝をはじめ大甕神社にまつわるさまざまなお話しくださいました。その中に、思いがけず、うちの近所の氏神様「須賀神社」のお話が登場!!
須賀神社は、新海誠のアニメ「君の名は」で主人公たち瀧と三葉が出会う舞台となったことから、今ではアニメの聖地として毎日国内外から多くのアニメファンが訪れ、アニメの名場面と同じ神社の階段途中で写真を撮っています。
宮司さんによると、「君の名は」にはスピンオフ小説があり、主人公の三葉のお父さんとお母さんが初めて出会うシーンがあるらしいのですが、その場所がこの大甕神社という設定。七夕さまの「甕星祭」、今では「君の名は」のスピンオフ小説を知る若者たちも多く訪れるようになっているのだそうです。
甕星香々背男という神様がヤンチャで、こともあろうに、女性の神さまに宿魂石に封じられてしまったというお話が、天照大神とやはりヤンチャな弟神、素戔嗚尊(スサノオノミコト)の神話を彷彿とさせるのですが…
日立市まで甕星香々背男に逢いに出かけて、思いがけず、近所の氏神さま、須賀神社の主祭神・素戔嗚尊とあらためて出逢いなおしたような不思議な思いがしました。

写真にある「宿魂石」の立て札には次のように説明されています。

「宿魂石」
「大甕神社創祀の由来となっている「宿魂石」は、境界(結界)に祀られた「大甕」と称する磐座です。当地は古代「大倭国」大和朝廷の支配の及んだ地域を未知の世界「高天原」にも例えられる「日高見国」との境界に見立てられ、磐座には地主神、甕星香背男が祀られております」
この説明に出てくる「磐座」は、ご存知のように「いわくら」と読みます。古神道において神が宿る神聖な場所とされた巨石などをさします。大甕神社の宮司さんによると、この磐山全体を「宿魂石」といい、磐山は5億5000万年前のカンブリア紀の地層だということでした。磐座の「宿魂石」、備え付けの鎖をつたいながら巨岩の頂上にある甕星の社まで登ります。磐座に触れている時間が、なんとも言えず幸せな時間でした。



大甕神社では、甕星香々背男の荒魂(あらみたま)を封じた宿魂石を内符にした御守「甕星守」(みかぼしまもり)を、毎月一日だけ頒布しています。「夜の世界を支配する強い御力で悪運を祓い、開運を導きます」とのこと。
せっかくなので、須賀神社(主祭神は素戔嗚尊)と「君の名は」の名シーンの階段の写真も載せておきます。
須賀神社(新宿区四谷)
アニメ「君の名は」で、瀧と三葉が出会う階段