





古代文字(甲骨文字)「光」
火は古代において極めて神聖なもので、火を掌る(つかさどる)聖職がありました。
古代文字の「光」は、人の頭上に火光をしるした象形文字ですが、このような造字法は、人の行為の意味を明示する方法だったとされています。その人が神に火を掲げているところを示しているのでしょうか。
原始古代の人にとって、火は世界を焼き尽くす恐ろしさだけでなく、暗闇を照らし、敵から身を守り、暖をとり、獲物を食べ物に変えてくれる生命のような貴重な存在だったでしょう。
ろうそくの炎を見つめると心が落ち着くのは、そんな原始古代の人々の記憶がDNAに刻まれているからかもしれません。
七尾の和ろうそく(煙が少なく、暖かい光を灯してくれるのが特徴)
今も火の光は大きな存在感を持っています。
物質次元と表裏一体の非物質次元の世界を反転させてくれる火の光。
祈りの空間でも、誕生日や記念日を祝う空間でも、普通の日常生活の場でも、
小さなろうそくに火を灯すだけで、一瞬にしてそこが特別な聖なる空間になるから不思議です。
古代文字を仕事にするきっかけとなった作品「光」
個展でお買い上げくださった喫茶店の経営者の方が、しばらくの間お店に飾ってくださっていました。その後お店をたたまれる時に、私が働いている大学に寄贈してくださいました。
学内のある部署のオフィスにかけてくださっています。